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photo by : 中川達彦

立原真理子展「おく」

12月の予約不要会期

日程:2020年12月19日(土)〜 25日(金)

    月・火・木・土・日 12時〜18時  

        水・金 15時〜21時

入場料:500円

​それ以外の日程は、完全予約制となります。


障り、限られた空間で

奥へ奥へと入りこむ

より細やかに気配を持ちつつも

密やかに何もなく

かえって身軽になってゆく

Hasu no hanaでは2020年11月16日から立原真理子展『おく』を開催いたします。私方ギャラリーでは4年ぶり、3回目の紹介となります。
立原真理子といえば、記憶に新しいところで『VOCA展2020』に<網戸>を支持体とし、刺繍糸で風景を描いた作品を発表しましたが、前回2016年に発表した『帳と青』以来、”蚊帳”を用いた作品展開も続けています。<網戸>に<蚊帳>、そのどちらにも共通するのは、空間を隔てるながらも、透ける、空気や光を通す、などその境目が曖昧であるという点です。また、刺繍糸を用いていますが、いわゆる刺繍のステッチとは異なり、網目を行き来させ表も裏もどちらからでも観賞ができるように制作しています。

立原は、内側と外側」「彼岸と此岸」「時間」といった風景の中の境目の在り方を制作を通じ探ってきましたが、近頃は本展のタイトルにもある「おく」という領域についても思いを巡らせているといいます。本展では、蚊帳を解体し、レイヤー状に風景を重ね、その空間を行き来することができるより体感的なインスタレーションを発表します。

 

2020年コロナ禍、現在もなお身体的距離を意識して生活せざるおえない状況下に私たちはいます。フェイスシールド、アクリルの衝立、透明ビニールの仕切り、市や区を境にそれぞれの対応の異なる自治体、県をまたぐ移動の制限など見えない境界線を気に止めることが多くなっていると思います。作品を見る際、時代に寄せる必要はないですが、その時代を過ごしているからこそ、作品の捉え方に影響を及ぼすこともあります。そう言った意味では立原真理子の作品は、<境目>を考える上で親和性が高く、発見や気付きの時間になることと思います。

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