撮影:中川達彦
撮影:中川達彦
撮影:中川達彦
撮影:中川達彦
Hasu no hanaでは、2021年12月11日(土)〜19日(日)まで、アーサー・ファン展
「日常再構成の注釈と発見ー66の要素」を開催いたします。
私方ギャラリーでは2019年より2年ぶり3回目の紹介となります。
アーサー・ファンは東京在住のアメリカ人で、国内外の展覧会やアートフェアに参加するなど積極的な活動をしているアーティストです。同時に脳科学者としての顔を持ち、自己の空間位置を認識する神経細胞である”場所細胞”に関する論文から着想した『散歩記憶プロジェクト』(2012年〜)など、サイエンスとアートの垣根を越えた活動をしています。
アーサー・ファンの制作のスタイルは、感覚や感性などに比重をおき手を動かすところから始まります。やがてそれはルーティンとなり、ある程度の数になると研究者の目線で様々な条件で分析をし、その発見から新たな造形物を生み出します。
「散歩記憶」、「日々ドローイング」、「残り思い出」という日常生活に関係が深いこれら3つは、アーサー・ファンの作品の軸というべきプロジェクトです。
さらに今年からは新たに「日常再構成」というプロジェクトを着手しています。これは、前述した3つのプロジェクトで制作した作品を複製し、1日ごとにまとめた有機的で奇妙な立体造形です。
本展「日常再構成の注釈と発見ー66の要素」では、数年に渡り継続している3つのプロジェクトから2020年の作品を一堂に集め、分析し発表します。
そして、新たなプロジェクト「日常再構成」では、covid-19の広範囲における日常生活の影響の関係性を探るため、緊急事態宣言前、宣言中、宣言後とその期間ごとに制作した作品群をインスタレーションとして展示します。
今回特筆すべきは、分析の中でアーサー・ファンにとっての無意識下の言語であるかのような66の要素を発見したことで、今後の制作や更なる分析の道筋をも予感させています。
日常生活に基づく極めて個人的な記録や作品と思われるものが、コロナ禍における東京に住む1人のサンプルデータとなり、経済活動から社会的状況を示唆しており興味深い内容になっております。他者の行動記録を見ながら、自身の行動を照らし合わせコロナ禍2年目の年末を締めくくりにいらしてください。