本来芸術表現は、社会を啓蒙すべき位置にあるべき、と私は考えます。ことに哲学と分ちがたい関係にある現代美術の世界に於いては、よりそうあるべきではないかと思います。
90年代のバブル崩壊以降、長い低迷を続ける我が国の経済状況は、美術界にも生々しく反映され、概念的、哲学的な作品よりも、取っ付きやすさ、わかりやすさといった作品が多くなってはいないでしょうか。また、政治状況、社会状況といったものが、啓蒙のメッセージが届くよりも前に激しく変化し、結局のところ先が見えない不安ばかりがふくらんでいってしまってはいないでしょうか。
このようなステートメントはアートフェアにはふさわしいかどうかわかりません。しかしピカソの画商カーンワイラーが「美術史は画商が作る」と言ってから半世紀、美術商業界は激しい変化をし、今やその中心は無数に開催される美術オークション、また世界で年間数百回も開催されているアートフェアに移っていると言っても過言ではありません。即ちアートフェアが美術史を作る、という状況も大袈裟な話では無いと考えます。
今年ジ・アートフェア+プリュスーウルトラは先端を求めます。美術史が、更には世界の歴史の先端、即ちは社会への啓蒙が今ここで生まれ、作られるべき。そんな作家、画商の思いが表現、反映されるアートフェアをお見せしたいと思います。
フェアマネージャー 池内 務
会期:
ターム1:2015 年12 月18 日(金)~ 20 日(日)
★ターム2:2015 年12 月22 日(火)~ 24 日(木)
ターム3:2015 年12 月26 日(土)~ 28 日(月)
時間:11:00-20:00
入場料:無料
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
東京都港区南青山5-6-23
アクセス:東京メトロ 銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1 出口前